オペレーション・スプリングシールド-ドローン大国トルコの仕掛ける戦争の姿-

1. 姿を現した新しいプレイヤー・トルコ

 一年を振り返るにはいささか早い気もするが、2020年はトルコ製の軍用ドローンが世界にその名を轟かせる年となった、と評するのは、決して誤りではないだろう。

 直近では、9月末に再燃したナゴルノ・カラバフ紛争では、トルコ製のドローンを使用するアゼルバイジャン軍が、アルメニア軍に大きな損害を与えたと言われている。少し遡ると、5月ごろには、リビア政府軍がトルコ製ドローンを使用した作戦を実行し、ハリファ・ハフタル将軍率いる反政府勢力であるリビア国民軍に大規模な損害を与え、内戦の趨勢に大きな影響を及ぼした。

 これらトルコ製ドローン活躍の嚆矢となったのが、2020年2月末から3月初頭にかけてトルコ軍がシリア北西部で実行した作戦“オペレーション・スプリングシールド(Operation Spring Shield 以下「本作戦」という)”である。本作戦以前から、トルコ軍はドローンをシリアでの戦闘で使用してきたが、投入された戦闘用ドローンの数の多さと作戦期間の短さから、本作戦は“ドローン電撃戦(Drone Blitz)”と評され、新しいドクトリンの誕生ともてはやされた。

 本作戦がこれまでシリアで実行された作戦と異なるかを理解し、それを支えるトルコのドローン産業の有り様を確認することは、この一年で一気に注目を集めるようになったトルコ製ドローンの実態と、それが関与する紛争の動向を分析する上で、非常に重要である。

 そこで本稿では、本作戦の経過とトルコのドローン生産を支える基盤について確認した上で、これまでシリアで実行された作戦との比較分析を通じて、本作戦で誕生したと言われる新しいドクトリンの姿を明らかにしていく。

2. “ドローン電撃戦”の実態

 ①概要

 2月27日、イドリブの南西に位置するバリュンに駐留しているトルコ軍兵士がロシア軍及びシリア政府軍の空爆攻撃を受け、34名が死亡するという事件が発生、トルコ政府はこの攻撃を受けて本作戦の発動を宣言した1。トルコ国防相のフルシ・アカル(Hulusi Akar)は、本作戦の目的を、直接的にシリア政府軍を攻撃するとともに、イドリブ州南部を確保することで、政府軍によるシリア市民への弾圧を抑止し、2018年のソチ合意2, 3, 4で定められた状況を回復させることにある、と宣言した5

 作戦発動後24時間のトルコ側の攻撃範囲は広範にわたる。トルコ側に属するシリア反政府軍の指揮官によると、反政府軍はイドリブ南方のザーウィヤ山付近にある複数の村落を奪還した。また、同じ反政府側のシリア国民軍は3月2日、政府軍に占拠されていたカフルナーブル周辺に兵士を展開させた。さらに、別の反政府勢力によると、トルコ側の部隊は、イドリブ東方に位置するサラキブを政府軍から奪回した6。この他、トルコ軍はアレッポ市街地やリファート、ヌーブル、ザーラといった北部、サフィーラ、マンビジ周辺の都市アリマといった東部でも攻撃を実行した7

 アカル国防相によると、作戦発動後24時間でトルコ軍は、シリア政府軍兵士327名、ヘリコプター5機、戦車23両、装甲車両10両、大砲・榴弾砲23門、防空兵器2機、物資等集積所5カ所などを無力化するといった戦果を挙げた8

 この間、シリア政府と同盟関係にあるロシアは、クラブ巡航ミサイルを搭載した黒海艦隊所属の艦艇2隻をシリア沿岸に派遣すると発表。続けて3月2日には、シリア政府に対する支援を表明するとともに、シリア領空内を飛行するトルコ空軍の安全が保障できない旨を宣言するなど、介入の意思を示した9

 先述のようなトルコ軍の電撃的な攻勢と戦果は、多分に奇襲効果によるところが大きく、作戦発動後48〜72時間が経過する頃には体制を立て直したシリア政府軍の反撃に直面するとともに、ロシアによる間接的な圧力にも制約され、当初の勢いを失っていった10, 11

 3月3日には、一旦は奪回したサラキブを政府軍に再度奪われさらに西方のアフィスにも進出されるなど、戦線が目に見える形で押し返されるまでに変化していく12, 13

 3月5日、エルドアン大統領はロシアのプーチン大統領と会談し、2月28日以降の軍事衝突を停止させることで合意した。両国の会談では、現地時間3月6日の午前0時をもってトルコ−シリア両陣営が停戦することと共に、アレッポとラタキアを繋ぐM4ハイウェイを中心に南北6kmの緩衝地帯を設定し、ロシア・トルコ両国共同の警備を3月15日より実施することも合意した14, 15

 トルコにとって、本作戦の結果が成功であったと言えるかどうかは非常に微妙な問題である。シリア政府軍によるイドリブ州への侵攻を押し返すことでシリア問題におけるロシアとの交渉における立場を強化するとともに、難民の発生とトルコ国内への流入を阻止するという意義はあったかもしれない。しかし、シリア政府軍に与えた損害は大きいものの致命的なものではないという指摘もあり、トルコが得た確固たる地歩とは呼び難いことも相まって、短期的かつわずかな利益を確保するにとどまったという評価になるのではないか、と思われる16, 17

 ②トルコ軍の戦果とドローンの役割

 開戦24時間時点の戦果はすでに紹介したが、開戦から3日目に当たる3月2日には戦果はさらに拡大し、Su-24戦闘機2機、ドローン2機、ヘリコプター8機、戦車135両、防空兵器5機を破壊、シリア政府軍兵士2,500名以上の無力化に成功したとトルコ側が発表した18

 ドローンが関わるものとして注目すべき戦果の一つに、ハマーにある軍用空港への攻撃が挙げられる。ハマーはイドリブとホムスの中間に位置する都市で、イドリブからは直線距離で87km程南方に位置している。トルコ軍はドローンを使用して空港に対する攻撃を実行したとされており、同軍の航空兵力の展開力の向上を示す事例となった19, 20

 また、非常に話題になった戦果としては、トルコ軍のドローンによるロシア製の防空システム・パンツァーリの破壊も挙げられる。トルコの防衛産業の専門家であるバーリ・メルト・デミレルは、同国の防衛産業アセルサン社が製造した電子戦システム・コラル等によりレーダーが機能不全となったことが要因にあると指摘している。トルコ軍は最終的に、8機の防空システムを破壊したと主張している21

 この他、トルコ軍のドローンは、陸上に展開する長距離速射砲や自走砲、ロケットランチャーがシリア政府軍を攻撃する際の観測手として、あるいは直接地上目標に対しての攻撃を実行するなどして、トルコ軍の戦果に貢献してきた22。ただし、上記の戦果のうち、ドローンが直接ないし間接的に関与したものがどの程度存在するかは明確にはなっていない。

 しかし、開戦から時間が経過しシリア政府軍が態勢を立て直して反撃を始めたことで、トルコ軍のドローンによる空爆の回数が劇的に減少してきたと指摘されている23

 既に紹介した2月28日、3月2日の戦果報告に加え、下表に3月4日と5日に発表された戦果報道の内容をまとめた。トルコ側が報告に際して行っている分類が一貫していないため厳密な比較はできないものの、無力化したシリア政府軍兵士の数や破壊した戦車の数などを見比べると、2月28日の作戦発動から3月2日までの間は戦果の伸びが非常に大きい一方、3月2日以降は増加のペースが急激に落ち込んでいることが見て取れる24

 しかも、シリア政府軍側の兵器に対して与えた損害は、実際にはさらに低いレベルにとどまっていた可能性もある。表の右端に記載しているように、別の調査によれば、破壊ないし鹵獲した戦車の数は45両、装甲車両等の数は56両となっており、トルコ側の発表が過剰に水増しされたものである可能性は否定できない。

図1:本作戦によりトルコ軍の攻撃を受けた主要地点の地図25

表:トルコ軍による戦果報告の比較

3.ドローン大国・トルコを支える役者たち

 ①トルコのドローン産業

 これまで確認したように、本作戦におけるトルコ軍のドローンの活動には目を見張るものがあるが、実はトルコがドローンの軍事運用を検討し始めたのは1990年代後半からであり、ここまで本格的な運用を可能とするにはかなりの時間と労力をかけていた。

 1990年代後半、非国家主体による脅威への対抗や新しい情報収集の手段としてトルコ軍はドローンに着目し始めたが、1995年にアメリカのジェネラルアトミック社からGNAT 750Sを、2005年にはイスラエル・エアロスペース・インダストリー(IAI)社からハロップを購入するなど、その配備は主に輸入に依存していた。しかし、ドローン技術はまだ初歩的なものに過ぎず、要求水準を満たさない性能しか出せない輸入ドローンに不満を覚えたトルコは、アメリカによる軍用ドローン禁輸なども追い風として、自国での開発を推進し始めた32

 トルコ航空宇宙産業(TAI)社 は2004年から政府のドローン開発を受注するなど、トルコの産業界でも最初期からドローン開発に携わっていた企業の一つであり、2016年には同社の開発したアンカがトルコ軍の作戦に使用され、本作戦でも、後述するアンカ−Sが使用された。

 そして、もう一つトルコのドローン産業を牽引している企業がある。後にエルドアン大統領の娘と結婚したことで有名になるセルチュク・バイラクタール氏が創業したバイラクタール・マキナ社である。彼がドローンに着目し始めたのは2000年代中頃からと時期としては比較的早い。当時は注目されることも少なかったものの、後々政府のコンペで入賞することなどを通じて国内外の注目を集めるようになっていった。2015年末には、同社の開発したドローンであるバイラクタール・タクティカルブロック2 (TB2)が高度約4,900メートルでの飛行と目標への攻撃を成功させ、トルコのドローン時代の幕を開けることとなった33

 以下、これら2社を始めとするトルコ企業が開発した・生産したドローン及びその関連兵器の性能を確認していく。

 ②バイラクタール・タクティカルブロック2

 バイラクタール・マキナ社によって製造されたトルコの国産ドローン。本機のエンジンは米軍のRQ−1プレデターと同じオーストリア製のロータックス912エンジンが採用されており、速度は130km/hと航空機としては決して高速と呼べるものではないが、高度約8,000メートルでの24時間連続飛行が可能とされる34, 35。2018年には、実戦配備後の累計で42,000時間の飛行を達成している(作戦期間中の累計飛行時間については5,300時間に達したとする記事も存在する)36, 37

 一方、作戦行動半径は、遠隔操作に必要な通信手段を地上の設備に依存しているため、160km程度に限定されている。

 本機は攻撃手段として、小型のスマート爆弾を搭載し、投下することが可能であるが、ペイロード(可載能力)が55kgとかなり限定されているため、単機での攻撃能力はさほど大きくないとされる。この背景には、本機が搭載しているL3ハリス・ウェスカム社製のMX-15D カメラの重量(51.4kg)によりペイロードが圧迫されていることがあると指摘されている38

 本機はトルコの国産ドローンとして非常に有名であるが、本機がミサイルを搭載・発射する上で必要なラックを英国のEDO MBMテクノロジー社の製造する製品に依存していると報じられるなど、完全な国産ではない可能性も指摘されている39

 本作戦の時点でトルコ軍は94機を保有しており、6機を一つの編成単位として運用している40。また、トルコは本機の輸出にも積極的に取り組んでおり、2017年にはカタールに6機を輸出し、ウクライナとの間でも、6機の輸出契約を締結している41

図2:バイラクタール・タクティカルブロック2 By CeeGee, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

 ③アンカ−S

 トルコ航空宇宙産業 (TAI)社によって2018年に製造されたドローンで、形状がアメリカ軍のMQ−1プレデターやMQ−9リーパーに酷似しているため、これらをモデルに製造された可能性が指摘されている。

 本機の特徴的な点として、バイラクタール・タクティカルブロック2と異なり遠隔操作を衛星通信によって行うことで、地上からの無線通信が可能な範囲外でも行動が可能となった点が挙げられる42。また、別途ジャミング対策を講じることにより、耐久性の向上も図られている43。本機のエンジンは、最初は中国製のティレート・センチュリオン2.0が使用されていたが、現在は国内メーカーのツサスエンジン工業社が製造しているPD170を搭載している。ターボプロップ型のエンジンを採用することで、高高度でも安定的な飛行が可能とされる一方、国産エンジンは技術的なリスクを抱えているとも指摘されている。

 攻撃手段はバイラクタール・タクティカルブロック2と同様に機体に搭載したスマート爆弾の投下であるが、本機のペイロードは200kgとバイラクタール・タクティカルブロック2よりも余裕があることから、攻撃能力は本機の方が高いと思われる44

 本作戦の時点での配備数は25機程度とバイラクタール・タクティカルブロック2よりも少ないが、トルコは本機についても輸出の対象としており、チュニジア政府は、トルコから本機を6機輸入することで合意したとの声明を発表している45, 46

図3:アンカ-S By N13s013, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

 ④セルチェ−1

 トルコの国防防衛産業であるアルティナイ社及びアセルサン社が開発したトルコ陸軍や警察機構が保有している多目的型ドローン47, 48, 49。滞空時間は連続1.5時間、可載能力は20kg程度と小型で、捜索・偵察・情報収集が主たる使用目的とされる。トルコ政府は2016年末にアセルサン社に約500機の製造を発注しており、これを受けたギリシャ政府は、エーゲ海におけるトルコとの領土争いに影響を及ぼすものとして警戒感をあらわにしている50

 ⑤カーグ

 トルコの防衛産業であるSTM社が開発・製造した小型ドローン51。主に治安機関による使用が想定され、市街地や洞窟内といった複雑かつ狭隘な環境下でも飛行が可能とされる。爆発物を搭載したまま自爆攻撃を行うことも想定されており、“カミカゼ“と呼ばれている52。2019年時点で既に160機以上が配備されている53

 ⑥MAM-L

 ロケットサン社によって製造された対空・対地攻撃に使用可能なスマート爆弾。重さは22kg程度と比較的軽く、長さも1メートル未満と小型であるため、トルコ軍のドローンの攻撃手段として使用されている54。射程距離は通常8km程度だが、GPS等の補助を受けることで最大14km程度まで拡大させることが可能で、対装甲弾頭など複数のバリエーションも有するなど、汎用性も高い。本製品の小型版として、重量6.5kg程度のMAM―Cも開発されている55

図4:MAM-L By Kingbjelica, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

 ⑦コラル

 アセルサン社によって製造されたレーダーによる電子面の補助を担当する車両と電子攻撃を担当する車両の2台から構成される電子戦システム56。2016年2月22日に最初のシステムが軍に納入された57。S−バンド (2.3GHzから2.5GHz/2.7GHzから3.7GHz) からKa−バンド(33.4GHzから36GHz)までの電波に対応可能で、半径150kmの範囲内をジャミング等で妨害することが可能とされる58

4.新しいドクトリンの誕生?

 本稿の最初に紹介したように、大量のドローンを一度に投入した本作戦において新しいドクトリンが確立されたとする論者もいるが、トルコが戦場にドローンを投入したのはこれが初めてではない59

 シリアに限定しても、トルコ軍はこれまで、”オペレーション・ユーフラテス・シールド” (2016年)60, 61, 62、“オペレーション・オリーブ・ブランチ” (2018年)63, 64, 65そして“オペレーション・ピース・スプリング” (2019年)66, 67という3つの大規模作戦を実施し、いずれの作戦においても、数の多寡はあるがドローンを使用してきた。

 これら過去の作戦と比較して、本作戦には新しいドクトリンの登場と呼べるようなどのような特色があったのか。本節では、トルコ側のドローンを戦場に投入した背景とともに、過去にシリアで発動された作戦におけるドローンの活動を確認し、本作戦における活動との比較を通じて評価を試みる。

 ①“オペレーション・ユーフラテス・シールド”での苦い経験

 トルコがシリア領内で大規模な作戦を初めて展開したのは、2016年の“オペレーション・ユーフラテス・シールド”である。この作戦は、地上軍による大規模な攻勢という形態を採っており、作戦発動後しばらくの間はトルコ軍が破竹の勢いで進軍したが、やがて戦闘が市街地戦に移行すると、建物や塹壕等に潜むイスラム国兵士の奇襲攻撃に苦しめられ、泥沼化する戦闘の中で多くの死傷者を出すこととなった。また、この頃からドローンを戦場に投入していたものの、生産数も少ない中で、主体的な役割を果たすまでには至らなかった。

 この経験を経たトルコ軍は、不用意な市街地戦への突入を避けるとともに、地上軍を本格的に投入する前に、航空兵力を使用して徹底的に敵軍の配置や動向を把握したうえで、航空爆撃や長距離砲撃等を通じて敵軍に打撃を与えることを重視するようになっていった68

 しかし、シリア政府軍はロシア製の防空兵器を保有しており、有人戦闘機の運用拡大は、パイロットの人的損失を拡大させるリスクを抱えることになる69。また、主な戦場となっているトルコ−シリア間の国境地帯では市街地も少なく、戦闘機の飛行音が敵軍に感知されやすいことから、敵軍に迎撃態勢を強化したり待避する時間的余裕を与える可能性が高いという問題もある。こうした事情から、人的損失を抑えつつ、飛行音も小さく小回りがきく兵器として、シリア領内での作戦においてドローンの重要性が高まっていった70

 ②ドローン活用の本格化

 事前の航空攻撃の徹底とドローンの使用を本格化させたのが、2018年の“オペレーション・オリーブ・ブランチ”である。この作戦では、攻撃対象であるクルディスタン労働党の部隊が潜むトンネルや洞窟の探知、F―16や戦闘ヘリ等の攻撃ユニットへの目標情報の提供、ドローン自身による直接攻撃による敵部隊の無力化など、ドローンが多様な役割を果たしたとされている。

 また、これらと並行して、国境付近で反トルコ勢力が実施したテロ活動の記録、実行犯の追跡、SNS上で流れた病院へのテロ攻撃報道を、病院が健在である画像を撮影・投稿することで否定するなど、戦場以外での情報戦における活躍も報告されている71

 トルコ軍の発表によれば、2019年1月20日以降3ヶ月弱の間に、ドローンは382回出撃し、直接攻撃により449名、位置特定や偵察等の支援を通じて間接的に680名の敵兵を無力化に成功、その戦果は作戦全体の約3割に相当するとされた72

 このように、この作戦においてトルコ軍のドローンは敵兵力の捜索、F―16や戦闘ヘリ等への目標情報の提供といった支援活動、敵部隊への直接攻撃に従事している。この作戦に実際に投入されたドローンの機数は不明だが、2018年3月時点でバイラクタール・タクティカルブロック2は46機程度に過ぎず、航空攻撃の主力はF―16をはじめとする有人機が担っていた73。作戦発動日の1月20日には、トルコ軍が保有するF―16・F―4の合計の25%に当たる戦闘機72機が出撃、国境付近の作戦目標に対する大規模な航空攻撃を実行し、同日夜までに108箇所の目標を撃破したとトルコ軍参謀本部が発表した74, 75。この他、T129ATAK ヘリコプターも30機程度配備され、昼夜問わずに出撃し、地上兵力への攻撃を実施するなど、ドローンは使用されていたものの、主力と呼べるほどの状況ではなかった76

 2019年に発動された“オペレーション・ピース・スプリング”も、作戦発動直後から重点的に航空兵力を使用した攻撃を実施しているが、大量の航空兵力を一度に用いるというよりは、数は少ないが恒常的に航空兵力を展開し続けるという方向に転換している77。とはいえ、報道によれば、国境付近の空軍基地から発信したトルコ空軍の有人戦闘機は、作戦発動後24時間で東西約100kmに渡って複数の目標を攻撃、一部ではシリア領空に30km程度浸透するなど、積極的な行動に出ている78
 この作戦でもバイラクタールやアンカといったドローンが使用されていると言われるが、“オペレーション・オリーブ・ブランチ”ほど活躍の様子が見受けられない。確認できたドローンによる具体的な行動としては、使用兵器及び攻撃箇所は不明だが、トルコ軍のドローンにより、クルド部隊の武装トラックが爆撃を受けて破壊されたといったものがある79, 80

 ③本作戦は本当に転換点となったのか?

 では、これまでの作戦と比較して、ドローンの使用という観点から見た本作戦の特色とはどのようなものだろうか?結論から言うと、それは戦場に投入されるドローンの数が増加した点にあり、ドローンの運用面で大きく変化したわけではない、というのが筆者の考えである。

 既に様々な記事で紹介されているように、F-16やF-4といった有人戦闘機に代わり、ドローンが航空戦力の中軸を担ったというのは、本作戦の明らかな特色である。トルコ軍が保有するドローンの機数は、バイラクタール・タクティカルブロック2に関して言えば、2018年の“オペレーション・オリーブ・ブランチ”の時期には46機であったものが、本作戦の時点では94機と倍近くまで増加しており、この機数の増加が、トルコ軍をしてドローンを主体として用いることを可能にした。

 しかし、増強したドローン戦力の用いられ方を見ると、依然として哨戒・索敵、地上戦力との連携、対地攻撃という従来の作戦でも実行された分野に止まっており、まったく新しい使用様態というものは見られない。本作戦における運用の新奇性として、ドローン戦力がダマスカス近郊までシリア領空内を飛行し、攻撃を敢行したという点も挙げられることがあるが、これはアンカ-Sの装備している衛星を利用したデータリンクという技術面の発展によるものであり、それ自体が運用の新奇性を示すものではない。

 こうした点を踏まえると、ドローンに関して、本作戦はこれまでシリア領内にて実行された3作戦からの断絶というよりは、それらの延長線上にあると言える。作戦構想が従来のものとほぼ変化していないにもかかわらず、使用された兵器の機数の増加をもって新しいドクトリンが誕生したと呼べるかは、筆者としては疑問である。

 ④生産能力という課題

 なお、ドローンの運用に関しては、スウォ―ム攻撃の有無をもって、発展度合いを図るような議論もなされているが、それに至る前に、ドローンの大量生産・大量消費とでも言うべき体制が構築されているか否か、という点が重要な判断要素として存在していると思われる。なぜなら、群体制御を通じた大量のドローンによる一斉攻撃が実行し得ないとしても、ドローンを継続的に戦場に投入し続け、敵兵力に持続的な損害と負担をかけることが出来るならば、単なる他兵種・他部隊の援護や単独での直接攻撃を超える運用が可能となるからである。

 しかし、トルコ軍がこの段階に至るには大きな課題が残されていることが、本作戦の結果明らかになっている。スモールウォージャーナルによると、本作戦が開始されるまでの2週間で、トルコ軍はシリアにおいて3機(アンカ−S1機、バイラクタール2機)、リビアで2機(全てバイラクタール)を失っている。本作戦での損耗数は少なくとも4機、最大で20機程度と見積もられており一定しないが、過去2週間の損害を合計するとトルコ軍の保有するドローン戦力全体の10%から15%が失われたとする見解もある81, 82。しかし、バイラクタール・タクティカルブロック2は過去5年間で118機が製造されるに止まっている83, 84。また、もう一つの主力機であるアンカ−Sは、2018年の開発以降、本作戦時点でも25機程度しか配備されていない。単純に平均した1年間の製造数はそれぞれ24機、12~13機程度となるが、損失数の計算によっては、本作戦のみで1年間の製造数の大半を失ったということになる。

 また、本作戦における戦力の損耗という点で留意しておくべき点は、本作戦は、シリア政府の強力な同盟相手であるロシアによる妨害行動や支援が極めて限定的で、ほぼシリア政府軍とのみ戦闘した結果として生じたものであるということである。

 ロシアは、シリア北西部における飛行制限を宣言することで、トルコ軍の行動を制限したものの、それ以上にシリア政府軍に対して積極的に支援し、トルコ軍を妨害するような行動は採らなかった85。それどころか、シリア北西部においては、本作戦開始前からロシア軍の活動頻度が減少していたという指摘もあり、こうしたことから、ロシアとトルコの間には本作戦について何らかの合意があったのではないかと指摘する識者もいる。トルコ軍の展開方面が、シリア政府軍やイラン民兵が展開しているイドリブ東部を主体としたものとなっていることも、こうした疑惑に信憑性を与える材料として提示されている86

 こうした情報を総合すると、トルコ軍はシリア政府軍に限定して攻撃を実行したにもかかわらず、そのドローン戦力の一割以上を損失したということになる。トルコにおける現状のドローン生産能力を考慮すれば、この損害は数字以上の重みがあり、ロシアのように高度な技術を保有している軍隊と衝突した場合はさらに損害が増すだろう。そうしたことを考慮すると、トルコ軍のドローン運用は依然として大きな課題を抱えており、新しいドクトリンの確立というにはまだ遠い状況にあるというべきだろう。

5.飛躍し続けるトルコ

 しかし、こうした数々の課題や限界にも関わらず、本作戦が戦場におけるドローンの運用面で大きな一歩を踏み出した機会であることは否定できない。航空戦力という限られた(しかし広範な)領域において、ドローンが従来の有人戦力に代替する存在として有効に活用しうることを証明したという要素は、繰り返し指摘されていることだが、非常に大きい。

 トルコ製ドローンの持つ技術的な限界も、改善に向けた取り組みが展開されている。トルコ航空宇宙産業(TAI)社が開発中の新機種アンカ−2(アクスングルとも呼ばれる)は、高度約7,600mでの飛行が可能であり、ペイロードは700kgまで拡充されている87

 より驚くべきはバイラクタール・マキナ社が開発中の新機種バイラクタール・アキンジ (レイダー)である。本機は2019年12月にはテスト飛行に成功し、本年ないし来年には配備可能となる見込みとされているが、報道されているスペックでは、半径250kmの作戦行動半径を有し、ペイロードも1,350kgと、現行のバイラクタールに比較して広範かつ強力な攻撃が可能な能力を有している88

図5:バイラクタール・アキンジBy ArmyInForm, CC BY 4.0 , via Wikimedia Commons

 そして何よりも、トルコ軍がここ数年で獲得した、戦場におけるドローン運用の経験、本作戦における大量のドローン戦力の運用と他兵種との統合の経験が加わったことは、同軍にとって大きな財産となった。限られた国家しか有していないドローンを用いた実戦経験を豊富に持つトルコ軍が、本作戦で明らかになった課題と限界をどのように克服していくのか、またトルコのドローン産業は技術的な限界をいかにして突破していくのか。ドローンの戦場における運用の将来を決める大きな一歩が、いま踏み出されようとしているのかもしれない。(了)

注釈

  1. ロシア軍は攻撃への関与を否定している。またトルコ政府側も、ロシア軍の関与については言及せず、シリア政府軍のみを非難の対象としている。ロシア軍の関与がなければ本攻撃は実施できなかったと指摘している記事としては以下のようなものが挙げられる。
    Samuel Brownsword, Turkey’s unprecedented ascent to drone superpower status, Drone Wars UK, 2020.6.15(確認日2020年7月4日)
    https://dronewars.net/2020/06/15/turkeys-unprecedented-ascent-to-drone-superpower-status/
  2. 2018年9月にロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領がソチで会談を実施した際になされた合意。同年10月15日までの間に、シリア・イドリブ州内で反政府勢力と政府軍の対峙する個所に、幅15~20kmの非武装地帯を設け、過激派勢力等を排除すること、また10月10日までに反政府勢力側の戦車やロケット砲といった重装備を撤去することなどが含まれている。
  3. Maria Tsvetkova, Russia and Turkey agree to create buffer zone in Syria’s Idlib, Reuter, 2018.9.17(確認日2020年9月22日)
    https://www.reuters.com/article/us-mideast-crisis-putin-erdogan-hope/russia-and-turkey-agree-to-create-buffer-zone-in-syrias-idlib-idUSKCN1LX1BU
  4. ソチ合意の全文については、ツイッター等で明らかにされている。合意事項の画像を掲載しているツイートとしては、例えば以下のようなものがある。
    Aaron Stein, 2018.9.19(確認日2020年9月22日)
    https://twitter.com/aaronstein1/status/1042142349890150401
  5. SERKAN DEMİRTAŞ, Turkey launches Operation Spring Shield, Hürriyet Daily News, 2020.3.2(確認日2020年9月5日)
    https://www.hurriyetdailynews.com/opinion/serkan-demirtas/turkey-launches-operation-spring-shield-152580
  6. Mariya Petkova, Turkish drones – a ‘game changer’ in Idlib, Aljazeera, 2020.3.3(確認日2020年7月4日)
    https://www.aljazeera.com/news/2020/03/turkish-drones-game-changer-idlib-200302182621318.html
  7. CAN KASAPOĞLU and EMRE KÜRŞAT KAYA, TIME IS UP IN IDLIB: TURKEY LAUNCHES OPERATION SPRING SHIELD, The Centre for Economics and Foreign Policy Studies, 2020.3.2(確認日2020年6月29日)
    https://edam.org.tr/en/time-is-up-in-idlib-turkey-launches-operation-spring-shield/
  8. Anadolu Ajansı, Bakan Akar: 200’ü aşkın rejim hedefi ağır ateş altına alındı, NTV, 2020.2.28(確認日2020年9月5日)
    https://www.ntv.com.tr/turkiye/bakan-akar-200u-askin-rejim-hedefi-agir-ates-altina-alindi,awStSE9uBkygl8uGfj5JKQ
  9. Anton Kolodyazhnyy, Tom Balmforth and Andrew Osborn, Russia sends warships to Syria, blames Ankara for killing of Turkish troops, Reuters, 2020.2.28(確認日2020年9月7日)
    https://www.reuters.com/article/us-syria-security-russia/russia-sends-warships-to-syria-blames-ankara-for-killing-of-turkish-troops-idUSKCN20M0LO
  10. GlobalSecurity.org, Operation Spring Shield, GlobalSecurity.org, 2020.3.26(確認日2020年6月7日)
    https://www.globalsecurity.org/military/world/war/syria-spring-shield.htm
  11. Henry Foy, Laura Pitel and Chloe Cornish, Russia’s Syria gamble under pressure as Turkey attacks in Idlib, FINANCIAL TIMES, 2020.3.3(確認日2020年9月7日)
    https://www.ft.com/content/5b5f881c-5ca3-11ea-b0ab-339c2307bcd4
  12. Middle East Monitor, Syria army retakes Saraqib city in Idlib from opposition, Middle East Monitor, 2020.3.2(確認日2020年9月5日)
    https://www.middleeastmonitor.com/20200302-syria-army-retakes-saraqib-city-in-idlib-from-opposition/
  13. Al-Masdar Al-‘Arabi , Syrian Army attempts to advance in eastern Idlib after seizing Saraqib city, Al-Masdar Al-‘Arabi, 2020.3.3(確認日2020年9月5日)
    https://www.almasdarnews.com/article/syrian-army-attempts-to-advance-in-eastern-idlib-after-seizing-saraqib-city/
  14. BBC, Syria war: Russia and Turkey agree Idlib ceasefire, BBC, 2020.3.5(確認日2020年9月7日)
    https://www.bbc.com/news/world-middle-east-51747592
  15. GlobalSecurity.org, Operation Spring Shield, GlobalSecurity.org, 2020.3.26(確認日2020年6月7日)
    https://www.globalsecurity.org/military/world/war/syria-spring-shield.htm
  16. Paul Iddon, Operation Spring Shield: How far will Turkey’s latest Syria offensive go?, RUDAW, 2020.3.2(確認日2020年6月29日)
    https://www.rudaw.net/english/middleeast/syria/020320201
  17. Mariya Petkova, Turkish drones – a ‘game changer’ in Idlib, Aljazeera, 2020.3.3(確認日2020年7月4日)
    https://www.aljazeera.com/news/2020/03/turkish-drones-game-changer-idlib-200302182621318.html
  18. Sarp Ozer, Turkey neutralizes 2,557 Syrian regime elements so far, Anadolu agency, 2020.3.2(確認日2020年9月5日)
    https://www.aa.com.tr/en/middle-east/turkey-neutralizes-2-557-syrian-regime-elements-so-far/1751645
  19. The Syrian Observatory for Human Rights, Turkish drones shell regime’s 47th brigade and regime anti-aircraft systems at Hama military airport try to intercept, The Syrian Observatory for Human Rights, 2020.3.1(確認日2020年9月5日)
    https://www.syriahr.com/en/156110/
  20. このHamaへの攻撃と同一かは不明だが、トルコ軍は同時期にHamaやLatakiaなどに対してミサイル(使用したミサイルの種別は不明)を用いた攻撃を実行している。その点を報じた記事は以下の通り。
    Dairy Sabah, Turkey strikes Assad regime bastion Latakia, other targets in Syria with missiles, Dairy Sabah, 2020.2.28(確認日2020年9月7日)
    https://www.dailysabah.com/politics/turkey-hits-russian-assad-regime-bastion-latakia-in-western-syria/news
  21. SETH FRANTZMAN, Russian air defense systems outmatched by Turkish drones in Syria and Libya, FDD’s Long War Journal, 2020.6.10(2020年6月16日)
    https://www.longwarjournal.org/archives/2020/06/russian-air-defense-systems-outmatched-by-turkish-drones-in-syria-and-libya.php
  22. Alex Gatopoulos, Battle for Idlib: Turkey’s drones and a new way of war, Aljazeera, 2020.3.4(確認日2020年9月7日)
    https://www.aljazeera.com/news/2020/09/stay-home-chuck-rocha-2020-latino-voter-outreach-200903191751734.html
  23. The Syrian Observatory for Human Rights , 115 regime soldiers, rebels and jihadists killed in 24 hours, while regime forces recapture Saraqeb and surrounding villages, The Syrian Observatory for Human Rights, 2020.3.3(確認日2020年9月5日)
    https://www.syriahr.com/en/156267/
  24. Faruk Zorlu, ‘Turkey’s drone use puts forward new military doctrine’, Anadolu agency, 2020.3.5(2020年6月29日)
    https://www.aa.com.tr/en/science-technology/turkey-s-drone-use-puts-forward-new-military-doctrine/1755210
  25. MAP OF MILITARY INFLUENCE IN SYRIA 02-03-2020, JUSOOR for STUDIES, 2020.3.2(確認日2020年9月6日)
    https://jusoor.co/details/Map%20of%20military%20influence%20in%20Syria%2002-03-2020/583/en
  26. Anadolu Ajansı, Bakan Akar: 200’ü aşkın rejim hedefi ağır ateş altına alındı, NTV, 2020.2.28(確認日2020年9月5日)
    https://www.ntv.com.tr/turkiye/bakan-akar-200u-askin-rejim-hedefi-agir-ates-altina-alindi,awStSE9uBkygl8uGfj5JKQ
  27. Sarp Ozer, Turkey neutralizes 2,557 Syrian regime elements so far, Anadolu agency, 2020.3.2(確認日2020年9月5日)
    https://www.aa.com.tr/en/middle-east/turkey-neutralizes-2-557-syrian-regime-elements-so-far/1751645
  28. Merve Aydogan, Turkey neutralizes 3,000+ regime elements in Idlib, Syria, Anadolu agency, 2020.3.4(確認日2020年9月5日)
    https://www.aa.com.tr/en/middle-east/turkey-neutralizes-3-000-regime-elements-in-idlib-syria/1754130
  29. Faruk Zorlu, ‘Turkey’s drone use puts forward new military doctrine’, Anadolu agency, 2020.3.5(確認日2020年9月5日)
    https://www.aa.com.tr/en/science-technology/turkey-s-drone-use-puts-forward-new-military-doctrine/1755210
  30. Niall McCarthy, Turkey Hits Back Against Syria In Idlib, Statista, 2020.3.5(確認日2020年9月5日)
    https://www.statista.com/chart/21043/syrian-military-equipment-captured-or-destroyed/
  31. 引用元の表では「Vehicles」「Infantry fighting vehicles」、「Mortars」と分類されているものを合計した数値を記載。
  32. Sergey Sukhankin, Is Turkey becoming a drone superpower?, Gulf State Analytics, 2020.5.5(確認日2020年7月4日)
    https://gulfstateanalytics.com/is-turkey-becoming-a-drone-superpower/
  33. Samuel Brownsword, Turkey’s unprecedented ascent to drone superpower status, Drone Wars UK, 2020.6.15(確認日2020年7月4日)
    https://dronewars.net/2020/06/15/turkeys-unprecedented-ascent-to-drone-superpower-status/
  34. Sergey Sukhankin, Is Turkey becoming a drone superpower?, Gulf State Analytics, 2020.5.5(確認日2020年7月4日)
    https://gulfstateanalytics.com/is-turkey-becoming-a-drone-superpower/
  35. Dairy Sabah, Domestic UAV Bayraktar TB2 ensures success of TSK in Afrin, Dairy Sabah, 2018.3.23(確認日2020年7月19日)
    https://www.dailysabah.com/defense/2018/03/23/domestic-uav-bayraktar-tb2-ensures-success-of-tsk-in-afrin
  36. Dairy Sabah, Domestic UAV Bayraktar TB2 ensures success of TSK in Afrin, Dairy Sabah, 2018.3.23(確認日2020年7月19日)
    https://www.dailysabah.com/defense/2018/03/23/domestic-uav-bayraktar-tb2-ensures-success-of-tsk-in-afrin
  37. Hurriyetdairynews, Bayraktar armed UAV completes 100,000-hour flight, Hurriyetdairynews, 2019.6.21(確認日2020年7月19日)
    https://www.hurriyetdailynews.com/bayraktar-armed-uav-completes-100-000-hour-flight-144378
  38. Can Kasapoglu, Turkey’s Drone Blitz Over Idlib, The Jamestown Foundation, 2020.4.17(確認日2020年6月28日)
    https://jamestown.org/program/turkeys-drone-blitz-over-idlib/
  39. Dan Sabbagh and Bethan McKernan, Revealed: how UK technology fueled Turkey’s rise to global drone power, The Guardian, 2019.11.27(確認日2020年9月27日)
    https://www.theguardian.com/news/2019/nov/27/revealed-uk-technology-turkey-rise-global-drone-power
  40. Andy Dreby, Scott Crino, TURKEYʼS DRONE WAR IN SYRIA – A RED TEAM VIEW, SmallWarsJournal, 2020.4.16(確認日2020年6月28日)
    https://smallwarsjournal.com/jrnl/art/turkeys-drone-war-syria-red-team-view
  41. Andy Dreby, Scott Crino, TURKEYʼS DRONE WAR IN SYRIA – A RED TEAM VIEW, SmallWarsJournal, 2020.4.16(確認日2020年6月28日)
    https://smallwarsjournal.com/jrnl/art/turkeys-drone-war-syria-red-team-view
  42. Charlie Gao, Turkey’s Deadly Anka-S Combat Drones Are Earning Their Wings In Syria, The National Interest, 2020.4.4(確認日2020年7月4日)
    https://nationalinterest.org/blog/buzz/turkeys-deadly-anka-s-combat-drones-are-earning-their-wings-syria-140947
  43. Dan Gettinger, Turkey’s military drones: an export product that’s disrupting NATO, Bulletin of the Atomic Scientists, 2019.12.6(確認日2020年9月27日)
    https://thebulletin.org/2019/12/turkeys-military-drones-an-export-product-thats-disrupting-nato/
  44. Can Kasapoglu, Turkey’s Drone Blitz Over Idlib, The Jamestown Foundation, 2020.4.17(確認日2020年6月28日)
    https://jamestown.org/program/turkeys-drone-blitz-over-idlib/
  45. Andy Dreby, Scott Crino, TURKEYʼS DRONE WAR IN SYRIA – A RED TEAM VIEW, SmallWarsJournal, 2020.4.16(確認日2020年6月28日)
    https://smallwarsjournal.com/jrnl/art/turkeys-drone-war-syria-red-team-view
  46. Andy Dreby, Scott Crino, TURKEYʼS DRONE WAR IN SYRIA – A RED TEAM VIEW, SmallWarsJournal, 2020.4.16(確認日2020年6月28日)
    https://smallwarsjournal.com/jrnl/art/turkeys-drone-war-syria-red-team-view
  47. 両社のホームページ上に同じ機種の製品紹介が掲載されているが、両社が共同開発したという記載はなく、本機開発にあたっての両社の関係性については不明である。
  48. Aselsan, Serçe-1 aselsan, Aselsan(確認日2020年10月18日)
    https://www.aselsan.com.tr/SERCE1_Cok_Rotorlu_Insansiz_Hava_Araci_Sistemi_7228.pdf
  49. Altinay, Serçe-1, Altinay(確認日2020年10月18日)
    http://www.altinay-advanced.com/projects/serce/
  50. Pentapostagma, Turkish army mammoth ordered at ASELSAN for delivery of 499 Altınay unmanned aerial vehicles – Preparing for something?, pentapostagma, 2016.12.30(確認日2020年9月26日)
    https://www.pentapostagma.gr/arheio/5024460_paraggelia-mamoyth-toy-toyrkikoy-stratoy-stin-aselsan-gia-tin-paradosi-499-mi
  51. STM, KARGU®Rotary Wing Attack Drone Loitering Munition System, STM(確認日2020年10月18日)
    https://www.stm.com.tr/en/kargu-autonomous-tactical-multi-rotor-attack-uav
  52. Göksel Yıldırım, TSK’s ‘kamikazes’ are increasing, Anadolu agency, 2018.12.27(確認日2020年9月26日)
    https://www.aa.com.tr/tr/ekonomi/tsknin-kamikazeleri-artiyor/1349827
  53. THE CENTER FOR THE STUDY OF THE DRONE at Bard College, The Drone Databook, THE CENTER FOR THE STUDY OF THE DRONE at Bard College, 2019.9(確認日2020年9月26日)
    https://dronecenter.bard.edu/projects/drone-proliferation/databook/
  54. Dairy Sabah, Domestic UAV Bayraktar TB2 ensures success of TSK in Afrin, Dairy Sabah, 2018.3.23(確認日2020年7月19日)
    https://www.dailysabah.com/defense/2018/03/23/domestic-uav-bayraktar-tb2-ensures-success-of-tsk-in-afrin
  55. Can Kasapoglu, Turkey’s Drone Blitz Over Idlib, The Jamestown Foundation, 2020.4.17(確認日2020年6月28日)
    https://jamestown.org/program/turkeys-drone-blitz-over-idlib/
  56. Army Recognition Group, Impressive KORAL Land Based Radar Electronic Warfare System on aselsan booth at IDEF 2015 07051509, Army Recognition Group, 2015.5.7(確認日2020年9月5日)
    https://www.armyrecognition.com/idef_2015_show_daily_news_coverage_report/impressive_koral_land_based_radar_electronic_warfare_system_on_aselsan_booth_at_idef_2015_07051509.html
  57. C4Defence, Turkey receives first Koral land-based EW system, C4Defence, 2016.2.22(確認日2020年8月8日)
    http://en.c4defence.com/Archive/kara-soj-resmen-envanterde/299/1
  58. Thomas Withington, EW Systems Support Turkish Syria Offensive, Armada International, 2019.10.16(確認日2020年7月19日)
    https://armadainternational.com/2019/10/ew-systems-support-turkish-syria-offensive/
  59. Faruk Zorlu, ‘Turkey’s drone use puts forward new military doctrine’, Anadolu agency, 2020.3.5(確認日2020年9月5日)
    https://www.aa.com.tr/en/science-technology/turkey-s-drone-use-puts-forward-new-military-doctrine/1755210
  60. 2016年8月24日から翌年3月29日にかけて、シリア北部で実行された作戦。主目的は国境線の安全確保のためとされ、地上軍を投入してシリア領内を2000㎢にわたって占拠した。開始直後は、ユーフラテス川付近の都市Jarablusの奪回をはじめとして迅速に作戦を展開したものの、アルバブをめぐるISILとの戦闘では、市街地の複雑な構造やトンネル、塹壕等を利用した激しい抵抗に遭い、2017年2月23日に完全に制圧するまで、数ヶ月間にわたって足止めをされることとなった。最終的に、3月29日にトルコ政府が、作戦目標は達せられたとして作戦の完了を宣言したが、同時に今後も国境を超えての作戦を実行する可能性を示唆した。
  61. Can Kasapoglu, Operation Euphrates Shield: Progress and scope, Aljazeera, 2017.2.3(確認日2020年9月24日)
    https://www.aljazeera.com/opinions/2017/2/3/operation-euphrates-shield-progress-and-scope/
  62. Aljazeera, Turkey ends ‘Euphrates Shield’ operation in Syria, Aljazeera, 2017.3.30(確認日2020年9月24日)
    https://www.aljazeera.com/news/2017/03/30/turkey-ends-euphrates-shield-operation-in-syria/
  63. 2018年1月20日以降、シリア北部のアフリン州で実行された作戦。主目的は、クルド人民防衛隊やイスラム国といった勢力を同州から排除することにあり、3月末までには排除を達成したと宣言したが、その後1年以上にわたって治安維持と対反乱作戦が継続された。
  64. TRTWORLD, One year since Turkey launched Operation Olive Branch in Syria, , TRTWORLD, 2019.1.20(確認日2020年9月24日)
    https://www.trtworld.com/middle-east/one-year-since-turkey-launched-operation-olive-branch-in-syria-23458
  65. Middle East Eye, Turkey takes full control of Syria’s Afrin region, reports say, Middle East Eye, 2018.3.26(確認日2020年9月24日)
    https://www.middleeasteye.net/news/turkey-takes-full-control-syrias-afrin-region-reports-say
  66. 2019年10月9日から同月22日にかけて展開された作戦。クルド人民防衛隊のようにトルコ政府がテロ組織とみなす勢力を国境付近から排除し、トルコ国内に避難しているシリア難民をシリア国内に戻すことが主目的で、国境から約30km程度に位置するM4ハイウェイまでの空間に安全地帯を構築しようとした。
  67. TRTWORLD, Operation Peace Spring in a nutshell, TRTWORLD, 2019.10.23(確認日2020年9月24日)
    https://www.trtworld.com/turkey/operation-peace-spring-in-a-nutshell-30779
  68. CAN KASAPOĞLU and SINAN ÜLGEN, Operation Olive Branch: A Political Military Assessment, EDAM, 2018.1.30(確認日2020年7月27日)
    https://edam.org.tr/en/operation-olive-branch-a-political-military-assessment/#:~:text=Operation%20Olive%20Branch%20came%20after,provinces%20and%20the%20capital%20Damascus
  69. SETH FRANTZMAN, Russian air defense systems outmatched by Turkish drones in Syria and Libya, FDD’s Long War Journal, 2020.6.10(確認日2020年6月16日)
    https://www.longwarjournal.org/archives/2020/06/russian-air-defense-systems-outmatched-by-turkish-drones-in-syria-and-libya.php
  70. Alex Gatopoulos, Battle for Idlib: Turkey’s drones and a new way of war, Aljazeera, 2020.3.4(確認日2020年9月7日)
    https://www.aljazeera.com/news/2020/3/3/battle-for-idlib-turkeys-drones-and-a-new-way-of-war
  71. Aşır Killigil, From Operation Euphrates Shield to Olive Branch: Local and National Industry, M5dergi, 2018.3.16(確認日2020年7月19日)
    https://m5dergi.com/articles/from-operation-euphrates-shield-to-olive-branch-local-and-national-industry/
  72. Dairy sabah, Turkey’s Bayraktar TB2 drones enable swift, precise victory against YPG/PKK in Syria’s Afrin, Dairy Sabah, 2018.4.19(確認日2020年7月19日)
    https://www.dailysabah.com/war-on-terror/2018/04/19/turkeys-bayraktar-tb2-drones-enable-swift-precise-victory-against-ypgpkk-in-syrias-afrin
  73. Dairy Sabah, Domestic UAV Bayraktar TB2 ensures success of TSK in Afrin, Dairy Sabah, 2018.3.23(確認日2020年7月19日)
    https://www.dailysabah.com/defense/2018/03/23/domestic-uav-bayraktar-tb2-ensures-success-of-tsk-in-afrin
  74. Hürriyet Daily News, Turkey launches ‘Olive Branch Operation’ against ‘PKK threat in Syria’, Hürriyet Daily News, 2018.1.20(確認日2020年7月29日)
    https://www.hurriyetdailynews.com/turkey-launches-major-land-operation-into-ypg-militants-in-syrias-afrin-126031
  75. CAN KASAPOĞLU and SINAN ÜLGEN, Operation Olive Branch: A Political Military Assessment, EDAM,2018.1.30(確認日2020年7月27日)
    https://edam.org.tr/en/operation-olive-branch-a-political-military-assessment/
  76. Aşır Killigil, From Operation Euphrates Shield to Olive Branch: Local and National Industry, M5dergi, 2018.3.16(確認日2020年7月19日)
    https://m5dergi.com/articles/from-operation-euphrates-shield-to-olive-branch-local-and-national-industry/
  77. NECDET ÖZÇELIK, Making Sense of Turkey’s Military Operations in Northern Syria, POLITICS TODAY, 2019.10.19(確認日2020年8月4日)
    https://politicstoday.org/making-sense-of-turkeys-military-operations-in-northern-syria/
  78. CAN KASAPOĞLU and EMRE KÜRŞAT KAYA, OPERATION PEACE SPRING SITUATION REPORT, Edam, 2019.10.10(確認日2020年8月4日)
    https://edam.org.tr/en/operation-peace-spring-situation-report-10-10-2019/
  79. Duygu Yener, Turkish drones hit YPG/PKK terror anti-aircraft gun, Anadolu Agency, 2019.11.10(確認日2020年8月11日)
    https://www.aa.com.tr/en/middle-east/turkish-drones-hit-ypg-pkk-terror-anti-aircraft-gun-/1610886
  80. DefenceWorld.Net, Turkish Drones Strike Kurdish Ammo Truck, DefenceWorld, 2019.10.15(確認日2020年8月11日)
    https://www.defenseworld.net/news/25663/Turkish_Drones_Strike_Kurdish_Ammo_Truck#.XzDXGYFUuhA
  81. Tim Ripley, Turkish UAVs played leading role in Idlib battle, JANES, 2020.3.6(確認日2020年9月27日)
    https://www.janes.com/defence-news/news-detail/turkish-uavs-played-leading-role-in-idlib-battle_11408
  82. DefencePoint.com, Wreckage of Turkish combat drone uncovered In southeast Idlib (pics) , DefencePoint.com, 2020.3.19(確認日2020年9月27日)
    https://defence-point.com/2020/03/19/wreckage-of-turkish-combat-drone-uncovered-in-southeast-idlib-pics/
  83. SETH FRANTZMAN, Russian air defense systems outmatched by Turkish drones in Syria and Libya, FDD’s Long War Journal, 2020.6.10(確認日2020年6月16日)
    https://www.longwarjournal.org/archives/2020/06/russian-air-defense-systems-outmatched-by-turkish-drones-in-syria-and-libya.php
  84. Andy Dreby, Scott Crino, TURKEYʼS DRONE WAR IN SYRIA – A RED TEAM VIEW, SmallWarsJournal, 202.4.16(確認日2020年6月28日)
    https://smallwarsjournal.com/jrnl/art/turkeys-drone-war-syria-red-team-view
  85. Paul Iddon, Operation Spring Shield: How far will Turkey’s latest Syria offensive go?, RUDAW, 2020.3.2(確認日2020年6月29日)
    https://www.rudaw.net/english/middleeast/syria/020320201
  86. Mariya Petkova, Turkish drones – a ‘game changer’ in Idlib, Aljazeera, 2020.3.3(確認日2020年7月4日)
    https://www.aljazeera.com/news/2020/03/turkish-drones-game-changer-idlib-200302182621318.html
  87. Armyrecognition, Turkish Aerospace Industries Anka-2 UAV to make first flight in 2019, Armyrecognition, 2019.3.6(確認日2020年9月27日)
    https://www.armyrecognition.com/march_2019_global_defense_security_army_news_industry/turkish_aerospace_industries_anka-2_uav_to_make_first_flight_in_2019.html
  88. Jon Lake, Turkey’s New Raider Takes to the Air,Ainonline, 2019.12.11(確認日2020年9月27日)
    https://www.ainonline.com/aviation-news/defense/2019-12-11/turkeys-new-raider-takes-air
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